スクールカウンセラーだより from 一心塾

スクールカウンセラーとして勤務している学校で発行している便りです。

暴力はなぜなくならない?

この世に暴力がなかったら、どんなにすばらしいことでしょう。おそらく誰もがそう願っているのに、暴力がなくなることがないのはなぜでしょうか。暴力には体によるもの、言葉によるもの、心によるものの3種類があると言われています。 昔、ラスカという国に…

出会いは不思議

人間は思い通りにならないものです。「今年こそ絶対に○○○するぞ!」と、初詣で誓ったことが、一体どれだけ成し遂げられたでしょうか。何を誓ったか、覚えていない!という人もいるかも知れないですね(笑)また、子どもに対して、「もっと○○をちゃんとやりな…

心の発達と無意識

小学生のA君は片付けが苦手で、家でも学校でも叱られてばかりいました。でもA君はなんとも思っていません。「片付けのことなんか知らん」と思っています。A君にとって大事なのは友だちと遊ぶこと、そしてゲームです。 「どうしてあんたは何度言ってもわか…

がんばる力が出せないあなたへ

夏休みも終わってしまいましたね。なんだかさみしいような、力が出ないような感じの人も多いと思います。 おとなにとって、子どもは元気いっぱいであってほしいし、子どもが元気だと、おとなも元気になれます。でも子どもにもいろいろ事情があって、がんばる…

親切

チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世のことは皆さんもご存知でしょう。ツイッターでもときどき、とても親しみやすい言葉で、奥深いことを述べておられます。最近私が目にした言葉にはハッとさせられました。「私の宗教はシンプルです。私の宗教は親…

中期目標を持とう

リオでのオリンピックも終わり、日本はこれまでで最多となる41個のメダルを獲得しました。銀や銅メダルを取っても、悔し涙の選手を目にすることも多かったですね。「絶対に金メダル」という目標を選手や監督が持って取り組んできたことがよくわかります。金…

スクールカウンセラーだより「怒る人」

むかし、怒ってばかりいる人のもとで働いていたことがあります。きげんが良さそうなときでも、何かの話がきっかけになって急に怒り出すので、そばにいると気が気でありませんでした。何しろそのどなり声の大きさ。そしてねちねちとしたしつこさ。一体何でそ…

子育て川柳〜受験生編〜

昨日は某中学校の3年生の保護者対象に「受験生の親の心構え」についてお話しさせていただきました。去年に引き続き今年も川柳仕立てです。 十四才 むかし元服 いま受験 14才くらいに武家の子どもは「元服(げんぷく)」といって大人になる儀式をしたそうです…

言わんでもわかって

保護者さんや先生方の相談を受けているときに私がいつも気に掛けているのは、子どもさんの「甘え」は満たされているだろうかということです。人は乳幼児期にお母さんやお母さんの代わりになる人との「一対一の絆」を結びます。心理学の方では「愛着関係」と…

ネガティブをポジティブに変えてみよう

ポジティブな人はネガティブな人に比べて、幸せで、健康で、長生きするということが証明されています。「ポジティブ心理学」によって明らかにされた、ポジティブになる方法をお伝えしましょう。 例えば、あなたは「私はダメな人間だ」と思ったことがあるでし…

心の土台

夏の高校野球すごかったですね。テレビに釘付けになりました。斎藤投手の制球とスピードには本当に唸らされました。解説によると相当下半身を鍛え込んだのだとか。そういえばソフトバンクの和田投手も下半身をかなり鍛えた時期があったと聞いています。足腰…

心の傷をいやす その2「謝ること」

前回、トラウマについて述べたところ、私の勤務する各学校での相談件数がずいぶん増えました。トラウマに苦しんでいる人はやはり多いのだなあと改めて実感した次第です。また私自身もトラウマについて調べたり考えたりすることが最近は多くなりました。今回…

トラウマを癒す

心の傷をいやす スクールカウンセラー 土江正司 心の傷は消えない、という歌の文句がありました。確かに心無い言葉やあまりにひどい出来事は忘れたくても忘れられないものです。思い出したくないのに、ふとした拍子に思い出しては最悪な気分になってしまいま…

心の成長を計る3つの尺度

人の心の成長について3つの観点から眺めると、良く理解できるかもしれません。 最初は「元気度」または「心のエネルギー」という観点です。少し自分自身を感じてみれば、今の自分の元気度を0~100%の数字で表現することができるでしょう。勉強でも仕事でも…

いじめのこと

いじめによる自殺という痛ましい事件が日本を揺るがしています。自殺に至らないまでも、いじめを受けたという辛い体験は、心の傷となってその人の人生に暗い影を落としてしまいます。人を信じられなくなってしまうのです。いじめの多くは、軽はずみで行われ…

困らせる人、困る人

赤ちゃんは、お母さんの注意を引くために必死に泣きます。もちろん赤ちゃんにそんな目的意識があるわけではありませんが、生きるためには泣かなければならないことを、生まれつきからだで知っているのです。 “生き抜くため”のこの能力は、10歳くらいまでは強…

心の土台

夏の高校野球すごかったですね。テレビに釘付けになりました。斎藤投手の制球とスピードには本当に唸らされました。解説によると相当下半身を鍛え込んだのだとか。そういえばソフトバンクの和田投手も下半身をかなり鍛えた時期があったと聞いています。足腰…

友人関係の悩み

友人関係で悩む人は多いと思います。クラスの中に話の合う人が数人いれば楽しい学校生活を送ることができますが、あまり趣味の合う人がいないと何となくクラスに居場所がない感じになります。一人ぼっちでいると人間は気が弱くなるもので、級友同士から悪口…

大事にすること、されること

『魔女の宅急便』の主人公キキはあるとき魔法のホウキに乗れなくなってしまいます。一生懸命乗り方を思い出そう焦りますが、うまくいきません。小さい頃から何でもなくできていたことなのに、、、 十代の頃は同じようなことがよく起こります。友だちと遊んだ…

将来の夢は?・・・と聞かれても

自分の中に何となく存在している将来への想いを整理してまとめ上げて、最終的に「私はこれになりたい」と言うことは、非常に大変なことです。もちろん早いうちから「自分は(例えば)看護師になるんだ」と堅く決めている人もいるでしょう。そういう人は迷い…

学習障害(LD)について

「学習障害(LD)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。最近、教育界ではよく話題に上ります。小学校低学年で発見されることが多いのですが、例えば人に比べて計算が極端に苦手であるとか、音読がひどくたどたどしい、記憶が苦手であるなど、普通の…

開いたり閉じたりする心

リラックスしているときはいろんなことに対して「まあいいか」とか「しょうがないか」と思えるものですし、逆にそう思えば幾分リラックスしてくるものです。そういう時は「自分」という存在にあまり執着していません。他者の存在や現にある状況を受け入れよ…

ルールを作ろう

社会の中で自立して生きること。人間だけでなく動物の社会でも、これは生きるうえでの最大の目標です。そのために親は一生懸命努力します。 実は子どもは今現在置かれている家庭や学校という環境の中で、なんとか自立的に生きようと日々努力しています。親子…

降りそうで振らない

6月はほとんど雨が降らず、松江市はとうとう給水制限に追い込まれました。それでもここ数日は梅雨前線が北上し、明け方にパラパラという音で目覚めるととても幸せな気分になります。でもほんのお湿りで終わり。曇天を眺めながら、もったいつけずにどばっと来…

桃のこころ

子育てに自信を持つには スクールカウンセラー 土江正司 もう少ししたら桃の季節ですね。桃を見ると「こころに似てるなぁ」と思います。やさしく扱わないと傷んでしまうところ、味わい深いところ、種を宿しているところとか。 桃は一個一個クッションに包ま…

願いを語ろう

願いを語ろう 「あなたの将来(職業)について家族の方はどんなことを考えておられるか知っていますか?」 これはある中学校で実施されたアンケートの項目ですが、「知っている」と答えたのはわずか4%でした。この中学に限らず、最近は子どもに就かせたい…

型にはまること

スクールカウンセラーだより -自由をその手に- 型にはまること 型にはまるのは窮屈に感じられるものです。決まった時間に起きて、一日同じような生活をしたり、型どおりのルールや考え方を強要されたりすると、若くエネルギーのある人ほど型を破って自由に…

フォーカシングしませんか

あけましておめでとうございます。 今年もよろしく…と申し上げたいのですが、カウンセリング、悩み相談、となると「そこまでじゃないなあ」というのが大方の感じではないでしょうか。そこで今年は、私が長年取り組んでおります「フォーカシング」を皆さんに…

売りコトバ、買いコトバ

早くしなさいうるせーなうるせーとは何ようるせーからうるせーんだよババア 売りコトバに買いコトバでは感情はピークまで高まり、そのたびに人間関係にひびが入ります。攻撃的な状況では人間は防御しなければなりませんので、どうしても売りコトバに対しては…

売りコトバ、買いコトバ

早くしなさいうるせーなうるせーとは何ようるせーからうるせーんだよババア 売りコトバに買いコトバでは感情はピークまで高まり、そのたびに人間関係にひびが入ります。攻撃的な状況では人間は防御しなければなりませんので、どうしても売りコトバに対しては…