スクールカウンセラーだより from 一心塾

スクールカウンセラーとして勤務している学校で発行している便りです。

学習障害(LD)について

学習障害(LD)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。最近、教育界ではよく話題に上ります。小学校低学年で発見されることが多いのですが、例えば人に比べて計算が極端に苦手であるとか、音読がひどくたどたどしい、記憶が苦手であるなど、普通の指導ではうまく教えられない状態をいいます。知能が低いわけではなく、ある特定のことだけが極端に苦手なのです。ひとつの個性と考えて良いかもしれません。

しかし放っておくといくつかの教科に対して苦手意識が生じ、場合によっては勉強全体、悪くすれば学校というところに嫌悪感を覚えるようになります。

ですから、お子さんが何につまずいているのか、何に苦手意識を持っているのかを学校と家庭の両方でしっかり把握する必要があります。その上で対策を立てなければなりません。学校だけでは指導しきれないことも多いですから、家庭と学校がよく連絡を取り合ってうまい方法を考えることが大事です。

「しっかり勉強しなさい」と上から命令するだけでは、苦手意識や勉強に対する抵抗感が増すだけです。それでは教育的態度とはとても言えません。子どもはわかるようになりたいと思っています。でもどうやっていいのか自分ではわかりません。他の友だちはすらすらわかるのに、どうして自分だけわからないのだろうかと漠然と悩みますが、そのことを口に出すことはありません。

優しい態度で、さりげなくわかるようにしてあげられるなら、子どもが勉強に対して嫌な感じを持つことはないでしょう。その工夫は大人がしなければなりません。学校において勉強がつまらなければ学校は退屈で反抗せざるを得ない場になります。LDと不登校の関係も、最近になって研究されるようになりました。もしお子さんがLDではないかと思われたら、是非早めにカウンセラーまでご相談下さい。