スクールカウンセラーだより「怒る人」
むかし、怒ってばかりいる人のもとで働いていたことがあります。きげんが良さそうなときでも、何かの話がきっかけになって急に怒り出すので、そばにいると気が気でありませんでした。何しろそのどなり声の大きさ。そしてねちねちとしたしつこさ。一体何でそんなことを怒っているのだろうという理由のわからなさ。きっとこの人は心を病んでいるのだろうと、かわいそうにも思いながら、でも耐えられないからできるだけ近寄らないようにしていました。
いつも怒っている人は、きげんを取ってもらいたいという欲求を抱えているのだと思います。そしてきげんを取ってくれない相手には怒っていいのだという考え方を持っているようです。ただ、うまいもので怒る人は自分が頭が上がらない人のきげんを取ることは上手だったりする場合もあります。
怒りは周りの人に迷惑なだけでなく、自分の体や心も傷つけます。だから怒る人はけっこう病気を抱えているものです。
怒る人のそばにいると「あんなふうになってはいけない」と感じて、自分の怒りをガマンするようになる人も多いものです。しかしガマンすることにエネルギーを使ってしまい、元気が出なくなることがあるようです。そのうちに自分が何で怒っているのかその理由さえわからなくなっていることもあります。
怒りは出すのもがまんするのも良くない毒のようなものですね。
では怒りはどうしたら良いでしょう。無視やガマンではダメです。無毒化する必要があります。そのために私は次のことをおすすめします。
○ 誰かに怒りについて聞いてもらう
○ 怒りを文章や絵にかく
つまり安全な方法で表現するということです。