スクールカウンセラーだより from 一心塾

スクールカウンセラーとして勤務している学校で発行している便りです。

ネガティブをポジティブに変えてみよう

 ポジティブな人はネガティブな人に比べて、幸せで、健康で、長生きするということが証明されています。「ポジティブ心理学」によって明らかにされた、ポジティブになる方法をお伝えしましょう。

 例えば、あなたは「私はダメな人間だ」と思ったことがあるでしょうか。結構多くの人がこの言葉を口にしますね。この言葉をポジティブに変えるにはどうしたらよいでしょうか。普通ならこう考えるでしょう。

「そんなことない。あなたはダメじゃない」

でも、そう考えたり声がけしたりしても、そのときはちょっと気分が良くなっても、しばらくすると「やっぱりダメだ」と思ってしまうのではないでしょうか。
この言葉には「私は“過去も現在も未来もずっと”ダメな人間だ」という意味が含まれています。これを「永続的悲観」といいます。また「私は“全てにおいて”ダメな人間だ」という意味も含まれています。これを「全体的悲観」といいます。「私はダメな人間だ」を少しポジティブに直すには、

「私は、今はダメかもしれないけど、未来はダメじゃないかもしれない。それに過去にはダメじゃなかったときもあった」

などと、永続的悲観を一時的楽観に変えることができます。また、

「私は、勉強はダメだけど、人に優しくすることができる」

などと、全体的悲観を部分的楽観に変えることができます。ネガティブな考え方というのは、だいたい極端な考え方なのです。 ネガティブなことを考えると、脳の中でストレスホルモンが出てきて、心も体もダメージを受けます。もしネガティブな考えが言葉や行動に出てしまったならば、周りの人にダメージを与えてしまいます。

最近のうつ病の研究から、ネガティブな考えから抜け出せなくなることがうつ病の原因であることがわかっています。だからネガティブな考えをそのままにしないでください。なるべく早く、自分がネガティブになっていることに気づいて、考えを修正してください。

「攻撃的な考え」もネガティブな考えです。もし「あんなやつはいなくなればいい」と考えて、その考えから抜け出せなくなったら大変です。

「あいつはひどいところがある。でも良いところもあるかもしれない」と考え方を修正してください。

少し練習問題をしてみましょう。次のネガティブ思考をポジティブ思考に変えてみてください。
「私には友だちがいない」
「私は頭が悪い」
「私の母は口うるさい」
「私の父はケチだ」
「お金がないから何もできない」
「あんなひどい奴は消えた方がいい」
「誰も私のことなどにかまってくれない」
「全部私が悪い」
「金持ちはどこかで悪いことをしているにちがいない」