スクールカウンセラーだより from 一心塾

スクールカウンセラーとして勤務している学校で発行している便りです。

それでいいんだよ

明けましておめでとうございます。
 年末年始は自宅でゆっくりしておりましたが、この一年はどんな風にしようかと考えているうちに、「自分はこれでいいんだろうか」という悩みに変わってきて、3日間くらい夜寝付けないでおりました。こんなときにきちんと話を聞いてくれる人がいて、一言「それでいいんだよ」といってくれたらいいだろうになぁと思いました。そんなふうに思ったら「まあいいか、このままで。やるべきことだけきちんと骨惜しみせずやろう。」と思えてきたので、それからは眠れております。何といいますか、人はときどき頭が変なところにはまってしまう事ってありますね。
 ところで、どんな人も皆、今はそんなふうにしかできないという状況の中でその人なりにがんばっているんじゃないだろうかと私は思っています。だからそういう自分を「私も結構がんばっているじゃないか」と自分で褒めてあげるのはとても大事なことだと思うのです。それによって頭が変なところにはまらずに済みそうです。
 もし誰かからそのような褒められ方をしたら、すごくうれしい気持ちになるでしょう。目立たないけど結構がんばってきたところを認められるわけですから。褒める、励ますというのはそういうことではないでしょうか。
 例えゲームばかりやっているとしても、学校へ行かず引きこもっているとしても、その子はその子なりにがんばっているのです。ゲームをがんばっているというのとは違います。到底大人の普通の視点では理解できないところでがんばっているのです。もしそのがんばりが親から理解され、受け入れられたならばその子の行動は変わるでしょう。
 カウンセリングの視点は常識からの視点とは違います。常識は大体において形骸化しています。生きていない常識を当てはめようとするとき我々の心は死んでしまうのです。逆に心を生かそうとするとき本当の常識が生まれると私は思っています。