スクールカウンセラーだより from 一心塾

スクールカウンセラーとして勤務している学校で発行している便りです。

人は変えられない!?

「人を変えるにはまず自分から」という言葉があります。「子どもを変えたいなら親から変わらなければならない」ということになりますが、この言い方は少々きつい感じがします。
 まず「変わる」とはどういうことかを考えてみましょう。私は性格は簡単に変えられると考えていますし、同時に性格を変えることは不可能とも考えています。とっても矛盾していますがこの両方が真実だと思っています。
 性格の中でも持って生まれた個性の部分、これは変えようがありません。ちょうど生みの親を取り替えることができないのと同じです。変えられないものはしょうがないから受け入れていくしかありません。また受け入れようとすれば好い面も見えてくるものです。 では性格の中で変えられる部分は何かといえば、後から獲得した行動や考え方のパターン、ということになります。人は同じような場面では同じような行動や考え方をするものです。もちろんそこに持って生まれた個性は関係していますが、少し自分のパターンを冷静に見てみれば、簡単に変えられる部分は必ずあるはずです。
 子どもが宿題をしようとしない。→ がみがみ叱る。というパターンがあるとすれば、まずは、がみがみ叱るというパターンを変えてみるというのが、「親が変わる」ということです。感情的になりやすいという個性があったとしたら、そこを変えるのは不可能ですが、小手先の部分は変えられますし、それだけで十分子どもの反応を変える効果があります。