スクールカウンセラーだより from 一心塾

スクールカウンセラーとして勤務している学校で発行している便りです。

心の土台

 

 夏の高校野球すごかったですね。テレビに釘付けになりました。斎藤投手の制球とスピードには本当に唸らされました。解説によると相当下半身を鍛え込んだのだとか。そういえばソフトバンクの和田投手も下半身をかなり鍛えた時期があったと聞いています。足腰の安定、つまり土台の安定が無くてはいい仕事はできないということを物語っていますね。 では心の土台って何だろう、とつい考えてしまうのが心理屋の性というものです。

 心というのは人間関係抜きに考えることができません。つまり人間関係の土台が心の土台なのです。人を信用できないときは心が弱くなります。皆さんもそんな経験があるでしょう。一番信頼している人が何となく冷たかったりすると、きっと人間を誰も信じられなくなって、心もとても衰弱し、固く内側にこもらざるを得なくなるでしょう。そんな人を最近はたくさん見かけます。その人は誰も信用しないし、誰からも信用されない。こんな寂しいことがあるでしょうか。

どうしてそうなってしまうのでしょうか。それは自立と深い関係があります。自立できないうちは誰かに頼らなければなりません。ところが頼られる方も自立できていなければ、どこかで頼られることが辛くなって信用を裏切るようなことになるでしょう。これが不幸の始まりです。できれば頼りがいのある人に頼ったらいいですね。しかしきちんと自立している人は甘えをあまり許さない雰囲気を持つことがあります。頼りたい人にとっては少し冷たく、またはきつく感じるかもしれません。また頼れる人と親しくなるには自分自身もある程度土台がしっかりしている必要があります。そうでなければ自立している人に対して近寄りがたい感じを持つでしょうから。

 どうしたらしっかりした土台を作れるでしょう。自分でできることは自分でする癖をつけることです。わからないときは最小限を聞いて自分でやります。これが信用を得る第一歩です。信用される人しか信用しあえる関係は築けないのです。